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COLUMN

リサイクル通信2019年2月25日発行号 掲載コラム原稿『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第54回 年度末にそなえた相場トレンドを読み解く

2019.2.25

年末年始のホリデーシーズンを抜けて市場が再開し、ブランド古物相場の今後の流れがある程度見えてきました。商材ごとに要因は違えども、昨年と比べると相場はややダウントレンドとなりそう。3月末に決算を迎える企業の方も多いと思うので、年度末までの商流をどう組み立てようかと悩む方もいらっしゃるのでは。今回は、特に変化が大きい時計や宝石相場のトレンドをお伝えしますので、ほんの少しでも、これからの皆さんの商売の参考となりましたら幸いです。

総じて言えることは、現在の円高トレンドによる相場の下げ圧力。昨年末に110円を切ったドル円相場は2月に入って110円台に持ち直したものの、やや弱含みです。112~4円前後の円安で推移していた昨秋頃と比べると厳しい。特に、時計については海外マーケットの好況が相場を牽引しているため、円高によってやや鈍化していく恐れがあります。

円高による相場下落で難しい局面に

宝石に関してはプラチナとメレダイヤの相場が下がっているため、各製品の価格は伸び悩んでいます。2015年頃からプラチナが金の価格を下回るトレンドが続く中、とうとうPt850よりもK14が高くなってしまい、プラチナ製品は一層の価格下落圧力が強まっています。メレダイヤについては、業界をざわつかせる合成ダイヤモンドの影響が大きい。大量のメレダイヤの一部にCVDダイヤを混ぜて販売する悪質な業者の存在が、メレダイヤ相場全体の下落を招いています。

デザインの優れたリングは例外ですが、いわゆる"つぶし"と呼ばれるものは地金のみの値段で換算され、メレダイヤ分は価値に含まれない傾向にあります 。プラチナと同様、いまのところ相場が上昇に転じる気配がなく、難しい局面です。昨年はデ・ビアスがCVDダイヤモンド製品を取りあつかうと発表し大きな話題となったこともあり、合成ダイヤモンドの影響は今後も拡大していきそうですね。

また、中国人観光客による消費が見込まれていた旧正月も、今年は爆買いとはならず「爆すべり」した、なんて話も聞こえてきます。近年、中国政府は高級品の輸入関税高騰に加え、昨年からは中国人に広く普及しているモバイル決済「WeChat Pay」の一日当たりの決済額に制限を設けたりと、輸入品全般の締め付けを強めています。さらに、今年に入ってからは個人による海外代理購入であっても納税義務が生じる法律が施行されました。

中国人バイヤーによる代理購入が旺盛な中、水を差す格好となり、このあたりも相場上昇には向かい風になりそうです。2~3月にかけては企業が決算期を迎える関係で、古物市場への出品量は増える傾向にあります。しかし、前述の相場の下落要素に加えて、そもそも決算前につき買い控えが起こるため需給のミスマッチに陥りやすい予測が立ちます。売り手としては、昨秋頃の相場感で売り抜くのはなかなかに難しい局面ですから、ある程度は割り切りが必要となってきそうです。一方で、買い手にとっては相場が下がる「買い時」でもありますから、これを商機と捉えることもできそうです。

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