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オークションのいろは

COLUMN

リサイクル通信2019年3月25日発行号 掲載コラム原稿『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第55回 振り手目線から見る、落札判断

2019.3.25

今年は平成最後の年となりますが、国内では消費増税を控え、海外ではイギリスのEU離脱問題の行方など、古物相場に大きな影響を与えそうなトピックが色々ありますね。迫る来年度は私自身、気を新たに引き締めてオークションの運営や買付けにあたりたいと思っています。 市場バイヤーの皆さんとしては、先行き不透明な中で「いかに買うか」がますます重要になってくるでしょう。そうした背景からか、オークションの振り手を務めている私は、ときどきこんな質問をいただくことがあります。

①競り中、一斉に声が上がるときに誰が一番高いかなぜ瞬時に分かる?
②同値で複数人から声が上がったとき、落札者を決める判断基準は?

競りに参加するバイヤーにとっては、当然気になることだと思います。裏を返せば、上記の理由が分かれば「どうすれば買いやすくなるのか、競り中のアピールが上手くなるのか」が見えてきますからね。市場や振り手によって傾向やクセが異なるので一概にはいえませんが、私の場合はこんな風にやっています。

まず①については、参加者と座席の並びを把握しています。当社が運営するRKグローバルオークションでは3日間行う競りにおいて、1日およそ50~60名ほどのバイヤーが参加されます。あらかじめ参加者の顔ぶれを覚えておくことで(○○さんは今回どんな商品を買いそうかな、この箱の競りは必ず声を上げそうだな)とか予測しておきます。どのバイヤーがどのタイミングで声を出すか、アタリをつけておくわけです。あとは皆さんがどの位置に座っているか覚えていれば、競りの最中に一斉に声が上がっても、声の方向に目と耳を注意深く向け、先に立てておいた予測を組み合わせれば、高い値段を指したバイヤーを瞬時に見つけられます。

②は、いくつかの優先順位を定めています。まず最初に「早く、かつ大きい声を上げた人」ですね。振り手も人間ですから、同値の場合はよりアピールの強い人=熱意のある人を落札者とする場合があります。
そして次に「常連さんや、業界内でいわゆる"重鎮"と呼ばれるような人」。すみません、重鎮さんには私も逆らえません……。というのは半分冗談ですが、よく来てくれる人やたくさん買ってくれる人には、同値のときは落札チャンスが回るように配慮しています。

それでは新しく参加するバイヤーにはチャンスがないじゃないかと言う声も聞こえてきそうですが、当然そんなことはなく、競り全体の中でバランスを調整しています。同値で買えなかった人には、後の競りで再び同値が巡ってきたときに商品を回してフォローしています。

どうしても競りの技術的な面も含め、常連さんや重鎮さんに落札の軍配が上がりがちですが、そればかりでは新しい人が来なくなってしまう。振り手は、オークションをより活性化していくために、常にバランスを考えながら運営しています。新しい市場に参加したら、まずは顔を売り込みながら「どんな商品が欲しいか」強みを伝え、競りでは「早くて大きな声を上げる」こと。シンプルですが、古物市場で買いやすくなるために効果的なアピールです。

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