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COLUMN

リサイクル通信2019年4月25日発行号 掲載コラム原稿『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第56回 新年度、古物相場の景況感は

2019.4.25

新年度を迎え、いよいよ平成最後のひと月が終わりを迎えようとしていますね。前回も触れましたが、今年は消費増税やイギリスのEU離脱問題など、例年に増してあわただしい年となりそうです。春先の古物相場は、この一年を占う大切な指針になりそうな気がしています。

そうした意味でいえば、2019年度は上り調子の相場でスタートを切りました。2月頃まで下降気味だった相場は、腕時計を中心に宝石、バッグとも上向き始め、当社が主催するRKグローバルオークションでも3月度大会はとても良い相場となりました。年度末は決算期を迎える企業が多いため、買い控えの影響から、どちらかといえば相場は伸びにくいと思っていただけに意外な結果。年度が明けた4月現在も、上昇トレンドは続いています。

3月にスイスで開催されたバーゼル・フェアの発表も影響しています。例えば、ディスコン(廃盤)が確定となったロレックス GMTマスターⅡ(Ref.116710BLNR)などはどんどん高くなっています。相場とは不思議なもので、どれかが上がり始めるとそれに引っ張られて全体的に上り調子となる傾向があります。特に腕時計では人気、流通量ともにボリュームの大きいロレックスが高くなると、その他も全体的に底上げされますね。

海外・国内ともに好調で上昇トレンド

また、ドル円相場が111円を上回る円安をキープしていることと、3月度に香港で開催されたジュエリー・ショーの売れ行きが良かったことがバイヤーの買い気を旺盛にさせたようです。海外の市況だけでなく、日本国内の小売り販売が好調だったことも追い風になりましたね。

少し前に懸念された中国の「電子商務法」による中国人バイヤーの減少も、BtoBが主となる古物市場では影響は限定的なようです。法施行より3ヶ月が経ちますが、市場に来る中国人バイヤーの数や、取引量が少なくなったといった話はあまり聞きませんね。

ただ、最近は一部の中国人バイヤーの買い方が問題視されることもあるようです。彼らの中には、下見のときに商品の写真を撮って自社WebサイトやSNSに掲載して購入者を募る、いわゆる"ソーシャル・バイヤー"的な立ち回りをする業者がいます。その際に、古物市場が発行している管理用タグを一緒に撮影し、掲載している方がいるようです。

当然ですが、下見の段階では商品の所有者は売り手であり、市場主が管理しています。売り手も市場主も知らないところで、流通元が分かってしまう形でドロップシッピングのように掲載されてしまうことは好ましくありませんから、見つけた段階で厳しく注意しているようです。そもそも小売店と違い、価格(落札値)が分からない中で購入者を募ることでトラブルが起きそうな気もしますが・・・。

とはいえ、年々増える外国人バイヤーは今や古物市場でも存在感を示しています。売り手、買い手どちらにとっても有益な古物市場となるよう、商文化の違いなども併せて伝えながら、良い取引ができるようにしていきたいですね。

話が逸れてしまいましたが、好調なすべり出しを見せた古物相場。改元に加えて新紙幣発行も重なり、ちょっとしたご祝儀ムードも漂う2019年度。今年はよい一年となりそうです。

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