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COLUMN

リサイクル通信2019年6月25日発行号 掲載コラム原稿『ブランド市場バイヤー 齋藤 清の俺に学べ!!』

第58回 爆上がりするロレックス相場の背景

2019.6.25

近年の機械式時計ブームの影響もあって、ブランド古物市場の中でも盛り上がりを見せている「腕時計」。BtoB、BtoC、CtoC問わずマーケットは拡がりを見せ、年々新規参入業者も増えていて活況を呈しています。

一方で、外国為替などの影響を受けやすく、相場の波が大きいのも特徴。為替については、ここ数ヶ月は108~110円/ドル程度の水準で推移して概ね円安局面といえそうですから、国内の時計相場にとっては追い風で、相場は上昇が続いています。

中でも上昇が目立つのが、「ロレックス」。年明けの相場はやや弱含みもあったものの、3月には回復。以降、ひと月ごとに相場が上がっています。今年のバーゼル新作が早くも流通しているとの情報もあり、新作はもちろん、現行の中古相場もまだ高値が続きそうです。

もともとロレックスは値崩れがあまりなく、資産性に富んだ時計という認識が当たり前化していましたが、近年はこの傾向が強く、一部のモデルに関しては定価の2倍、3倍のプレミアム価格で取引されています。そもそも、なぜロレックスはこれほど高くなっているのでしょうか。

もともとデイトナやグリーンサブなどの人気モデルは、正規店への入荷数が少なく、その希少性から、並行輸入店では定価よりも高いプレミアム価格で新品が売られていました。ただし、一部のモデル以外は新品であっても定価と同等か少し高いくらい、中古品であれば定価より安く購入できました。近年は、多くのスポーツモデルがプレミアム価格で取引され、中古品も例外ではありません。

背景には、ロレックス社が並行輸入市場に対するチェックの目が、以前よりも厳しくなっていることが挙げられるようです。並行輸入店の中には、ロレックス社より商品の仕入れ元を尋ねる連絡を受けたところもあると聞きました。

また、以前にも触れたように、国内の正規店でロレックスを購入するとかつてのように保護シールやブレスレット未調整のままで引き渡されることがなくなりました。新品として転売されることを防ぐ目的があるのでしょう。現在は国内だけでなく、海外の正規店も同様の運用となっているようで、並行輸入市場で新品を入手することが困難になってきています。そのため、ロレックスの新品相場は高騰しているのです。

新品相場が上がれば中古相場も上がるのが常です。例えば、デイトナ Ref.116500LNは古物市場では昨年夏ごろは230万円程度の相場でしたが、今現在は270万円~ほどで取引されています。また、以前は日本ロレックスの保証書よりも国際保証書が付属している方が高かったのですが、現在はほとんど差がありません。現に、私どもが主催するRKグローバルオークションでも、現行の6ケタ型番モデルは保証書の種類に関係なく、いずれも高い相場です。

さらに、最近は海外からバイヤーが日本に押し寄せ、ロレックスを買っていくため品薄に拍車をかけています。ただし、そうした理由から、日本のロレックス相場は世界でも特に高騰しているようです。日本のレートで海外業者とロレックスを取引すると、あまりの値段の高さに驚くバイヤーもいるそうで、ちょっとしたガラパゴス現象が起きているのかもしれません。
とはいえ、高騰が続く相場も直近の古物市場では一服感がありました。為替に影響がありそうな米中貿易摩擦などに目を向けながら、今後の推移を見守っていきましょう。

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